お白石持行事
【お白石持行事】
この写真は、平成25年夏、20年に一度の第62回伊勢神宮第式年遷宮、「お白石持行事」に参加したとき、孫たちが手にした「お白石」です。
「お白石持行事」は伊勢神宮遷宮の中で旧神領民が参加する伝統ある行事です。
「お白石」とは、唯一神明造り社殿の御敷地に敷き詰められているこぶし大の白い石のことです、これを神領民が手ずから新しい御敷地に並べ納めるのが「お白石持行事」です。
「お白石は」神領民が数年前から約八十の町ごとに奉献団を結成し、「お白石拾い」を清流・宮川の川原でする決まりとなっています。
白石にも規格があって握りこぶし大、光沢と透明感のある石英石であることです。
お白石の奉献は
・旧内宮領の奉献団は川曳
・旧外宮領の奉献団は陸曳
と昔から決まっているそうです。
お白石は四斗樽に入れ奉曳車に積まれる。
奉仕団はそれぞれの町内から木遣り唄に送られ奉曳車の出発点へ、奉曳車を全員で曳き沿道の人々のなか″エンヤ曳き″の掛け声と共に神宮に入ります。
ここで神職のお祓いを受け、ひとりひとりに「お白石」が渡される。いよいよ御垣内へ進むのです。
板垣御門、外玉垣御門、内玉垣御門、蕃垣御門、瑞垣御門とくぐると内院、正殿の前です。
正殿を間近に見ながらお白石を御敷地に置くのです。
私の妻の実家は旧内宮領で、義父が内宮職員であり勧められて参加することになりました。
最初は、昭和48年の第60回伊勢神宮式年遷宮です、
長女が生まれた年です。
このとき「お白石持行事」を初めて知り二歳になる長男と共に義父につれられ参加しました。
遷御の儀が終わると入ることができない、新しい神明造りの正殿、
正殿の御扉、大きな両開き一枚板框戸が強く印象に残りました。
次は、長女が20歳になり、平成5年の第61回伊勢神宮式年遷宮です、このときの参加は夫婦のみで、内宮の五十鈴川に入り川曳を初めて経験しました。
お白石を渡され正殿の前に行くと20年ぶりの新しい神明造りの正殿、美しい木造建築です。
特に回廊手摺柱擬宝珠(ぎぼし)のカラー色が印象に残りました。
今回は、平成25年の第62回伊勢神宮式年遷宮、私の歳から考えると次は無いと思い内宮、外宮共「お白石持行事」に参加しなければと、1年以上前から準備をし、所帯を持った息子や娘、6人の孫、東北からの友人知人5人も参加することになりましたが、義父は平成14年に亡くなりおりません。
服装も法被で正装し、二見浦の興玉神社へ浜参宮。
内宮、外宮「お白石持行事」の川曳、陸曳を経験しました。
やはり20年ぶりの新しい神明造りの正殿は良いです、心を新たにしました。
神宮職員に質問をすると回廊手摺柱擬宝珠(ぎぼし)は木製でカラーの漆塗だそうです。
次回の、第63回伊勢神宮式年遷宮の「お白石持行事」、息子や娘、孫たちが忘れずに参加してくれることを願っております。