決戦の朝
あーたいへんだ、ほんとに大変・・・・・・。
何かとバタバタするこの季節
我が家の子供たちも
大学と中学校へそれぞれ進学できることになりました
やれ入学準備だ
卒業式の服が、どうしたこうした
記念の旅行だ、などと
例年の春にくらべ
かなり忙しい我が家の春の風景です
アベノミクスの効果なのかどうかはわかりませんが
仕事も例年の年度末に比べても
かなりバタバタと動き回っています
本当にありがたい事です
そんな中
我が家の山の神に異変が
『なかなかこんな機会ないし・・・・・。』とか
『6年間の最後やし・・・・・・』とか
『どうしようもないねん・・・・・』とか
なんか変な事ばかり言ってるのです
よくよく聞いてみると
娘のママ友たち十人で
韓国へ旅行へ行くだとか?
通常であれば、
『なにー!この忙しい時に!』となるところなのですが
確かに良く頑張ってくれているので
家族ともどもこころよく送り出すことになったのです
でも、事件はここから始まりました
送り出した日の晩
突然、息子りんたろうが思い出してしまったのです
『あっ、あさって遠足や!・・・・お弁当どうしよう?』
『・・・・・・・・・・・』
(心の中では ゲゲツ! との叫び声)
息子は申し訳なさそうに
『お父ちゃん、大丈夫?』
『う、うん』
(大丈夫なわけないやん!と思いながらも)
『よっしゃ、任せとき!(苦笑)』
息子にとっては大事な大事な最後の遠足です
母が留守だからと言って
さすがにコンビニ弁当を持たせるわけにはいきません
父親の威信をかけて
お弁当作りに取り組まねば・・・・・・。
でもでも、当然作った事はありません・・・・・・・。
かなりのプレッシャーです・・・・・・。
当日の朝
決戦は始まりました
飛び交う怒号は
まさに戦場の様子です
娘は娘で、姉の威信をかけてのチャレンジ
しかし、料理オンチな彼女は
なぜか?Macを開いてレシピを見るところから始めています
(そこからかよ!)
『えーっと、最初は?・・・・・・お湯を沸かして・・・・・・・・・、何CC?』
(こりゃ、ダメだ!)
そんなペースで間に合う訳がないのです
『わかった!そのごまあえだけ作っといて・・・・』
娘さん、いきなりの戦力外通告です
無常に過ぎゆく時計を眺め
いよいよ危機感は募ります
お弁当の定番と言えば『たまご焼き』
これはたぶん大丈夫なはずです。
ささ、手早くちゃっちゃっと・・・・・・・・。
なんとかできた卵焼き
でも様子がちょっと変です
横から眺めてる息子が
『上手上手!』とほめてくれるのですが
そういうアンタがよっぽど上手!
本来きれいな楕円形のはずが
あきらかに平行四辺形なのです
色も白と黄色のまだらだし・・・・
味には変わりがないので、まあ、いいか・・・。
たこ足のソーセージは短足になりそうなので
今回はベーコンを厚めに切って焼く事にしました
こんがり香ばしく、を心がけたのですが
ジックリ焼いたら、なぜかビーフジャーキーが完成しました
リクエストにこたえて
鶏肉の照り焼きを
皆さんの予想通り
まっくろけの真っ黒け
見事なぐらいです
(これは、あきらかに苦いな・・・・・。)
わかっちゃいるのですが
もう作り直す時間はありません
『息子よごめん!』と心で謝りつつ
お弁当箱に押し込みます
近所のお惣菜屋さんに
手伝ってもらった
エビフライと春巻きをプラスし
最後の一品は
きゅうりとプチトマトとチーズ入りのちくわを
旗付のピックで止めたものです
やはりお弁当には欠かせませんよね
買い物係(娘)にプチトマトは?とたずねると
『無かったし、普通のトマト買ってきた』との答え
(そんな大きいもん入るわけないやん!)
と心の中で毒づきつつも
仕方がないので
小さく切って使う事に
『ちくわは?』と手渡されたのは
明らかにお酒のおつまみ用のちくわです
もはや言葉もなく
無言の作業です
時間切れがすぐそこに迫っていたため
きゅうりのアクも抜けませんでした
多分あのきゅうり
げげっと唸るぐらい、苦いはずです
どうにかこうにか、間に合いました
ほっとした息子も上機嫌で遠足へ
時計に追われて追われての大騒ぎでしたが
アイアンシェフの気持ちが少し分かったかも・・・・。
時間が決まっているのが
本当につらかった(汗)
息子を泣かせる事無く送り出せたのが何よりです
この際、味は二の次です(笑)
(食べてから、泣いているかも?)
しかし、もっとも偉大なのはやはりお母さんなのですね
今回しみじみそのありがたみを感じました
きっと、もうお弁当を作ることはないと思いますが
『人間やれば、なんでもできるもんだなぁー』と
気持ちの悪い達成感を抱いています
でも、やっぱりもうこりごりです(笑)
追伸:ごまあえも無事完成しました。エビフライの下に格納されています
いま考えるとさすがにミッフィーちゃんの旗はかわいそうですね(笑)
(文責:山田英樹)
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