戦争の記憶
その店は
かつて米軍基地の兵隊により繁栄した
宜野湾市、普天間にあります
最近やけに登場する
あの基地のある場所です
ベトナム戦争当時そのままの店内は
まるで映画や小説の世界にタイムスリップしたかの錯覚にとらわれます
50年代のジュークボックス
ジージーと音を立てる
ネオン管
実は私の大好きな
来沖時に
時間が許せば
足を延ばしたくなるお店なのです
店の名にある
シンデイさんは今は第一線を引かれたようですが
Aサインを掲げる伝統はいささかも変わっていません
店内の壁には
びっしりと1ドル紙幣が・・・・。
戦地に赴く兵士達が
無事に帰ってこれるようにと
願かけのお札だったのです
『帰ってこれなかったんだね』
とシンディさんは呟きます
私たちが子供の頃
そんな日常がありました
内地に住む人間には
その切なさは伝わっていません
今は憧れのリゾートアイランドです
そして揺れる県民感情は
映画の中の一コマに感じられています
でも、そこには
まがうことのない戦いがあり
そして残念ながらその戦争は
今も続いているのです
それが、沖縄の現実です