いま再びの岡本太郎
1970年、高度経済成長真っただ中
大阪の千里丘陵を大きく切り開き
万国博覧会が開催されました
両親とともに
何度も勇んで出かけたのを覚えています
子供心に未来というものが
そこにあるかのようなワクワク感に満ち溢れていたのが印象的でした
『動く歩道』、当時のはなたれ小学生にとっては漫画の世界の出来事でした
『月の石』 大人の壁に阻まれ、ちゃんと見れなかった記憶があります
『太陽の塔』、気持ちわるー、と叫んでいたように思います
実は今太陽の塔を作った岡本太郎さん
が再び大きな脚光を浴びているそうです
さまざまな出版社からムック本が出版され
若い世代を中心に大人気だとか
そんな本を手に取ってみると確かに岡本太郎、おもしろい
芸術は爆発だ!のフレーズが印象的なのですが
まさに太郎さんのアートの世界も爆発しっぱなしです
昨今、こんなアートという部分においても
日本人の力量が下がっているように感じるのは私だけなのでしょうか
高度経済成長というエネルギーにこそ満ち溢れているものの
社会としての成熟とは程遠い状況の中でさえ
後世に残った素晴らしいアートを輩出しているのに
それより裕福となった現代から後世に残るアートがあるのか?
非常に疑問に思います
世知辛い世の中だからと一言でいうのは簡単なのですが
日本人のアイデンティティー形成に
影響を与えてきたものの中で
四季の成り立ちや独特の宗教観とともに
数寄屋に代表されるような
粋なアートともいうべき感覚があったのはまちがいありません
景気が悪く経済が発展しない。
将来への不安が・・・・。
そんな苦しい状況の中でこそ
日本人の粋な部分、しゃれっ気を持って臨んでいきたいものですね
それが今何より必要な、明るさにつながると思うから・・・。