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コロンブスの卵(旭山動物園行動展示に学ぶ)

 

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コロンブスの卵(旭山動物園行動展示に学ぶ)

 

asahiyama1.jpg 


遅めの夏休みをいただいて旭山動物園に出かけてきました

行動展示というユニークな手法で
今や日本一の来場者数を誇る動物園です

旭川の市外から20分程度の場所にある
何の変哲もない動物園

一年間の気温差は
70度にものぼり、一年の半分は雪に覆われます

そんな過酷な環境下でありながら
関係者のたゆまぬ努力の結果
日本や世界から本当に多くの観客を集客する
北海道を代表する観光スポットとなりました

旭川市立のその動物園
もの凄い経済効果をも、もたらしていると思います

札幌でタクシーに乗った時
運転手さんがうれしそうに
『あれは、すごい! 日本一の動物園だね』 とお話しになっていました
無論、入場者数の事ではないと思います

多分、郷土愛も含めてのお話しだと思いますが
なにがそんなにすごいのか?ちょっと気になってしまいました



行動展示
ひらたく言えば、動物達の日常の生態をそのまま見せる
という事なのでしょう

たかが、そんな事と思われるかも知れません

でも、ときどきテレビで放映されている
動物達の生態を追った番組と
従来の動物園にいる、寝てばかりの動物達では
あまりにギャップがありませんか?


写真は白クマがのっしのっしと目の前を行きかう様子です
彼は、気が向いたときに水面に向かってダイブしたりします
(この日は観客にお尻を向けて、おしっこしていました)

ペンギンたちも気が向いた時は散歩に出かけます

ここではすべて動物が主役なのです
ダイブするか散歩に行くかすべて決めるのは動物自身なのです

立ちあがるレッサーパンダやジャンプするシャチなんかはいません
ここには特別のスターは存在しないのです


小菅正夫さんという名誉園長が仲間達とコツコツ積み上げてきた行動展示という方法

体験してみれば、自然の摂理にかなったその方法のほうが
楽しいにきまってます
そして、むしろスタンダードな方法なのでは?と気付かされます
なぜ、従来の動物園がこの方法で成り立っていないのだろうか、とも思わされます
まさにコロンブスの卵だったという事なのですね

小菅さんのお話しに触れ、たいへん感銘を受けました
自分達の信じた方法を愚直に実行し続ける
言葉にするのは簡単ですが、実行するのは本当に難しい事です

今の時代に最も必要なソフトの力と
強力なリーダーシップがそこにはあります

小菅さんは言います

「『動物園は社会的な役割を失った』と言われたことがあった。どういう意味なのか、とても苦しんだ。勉強して考えたよ。動物園は本当に意味のない施設だろうかって。動物園には3千年の歴史がある。アジア、ヨーロッパ、アメリカ、それぞれに自然発生的に生まれている。この間、本当に人間社会が動物園を必要としなかったら、現在まで残るはずがない。
 かつて森から飛び出した人間が、草原に都市国家を作った。周りの野生をすべて拒否して人間というひとつの種だけで暮らし始めた。そうすると、人間の動物だった部分、いろんな生き物の中で、木の上で暮らしていた、その心の奥底が不安定になって、いろんな諍いが起きた。その時に、その心を一番慰めてくれたのが動物だったんだ。都会のど真ん中に動物を入れて『俺たちも一緒に自然の中にいるんだな』という安心感を得る必要があった。
 だから動物園に来てごらん。どんな人でもみんなにこやかで、動物の前ではみんな素直になる。それが動物園の存在意義だ。人類は必要としないものは絶対残さない。だから動物園も必要なんだ」


また、ひとつ 熱い熱い情熱と共に
『古き良き考えを、新しい方法で』 を、見つけてしましました
心のお気に入りリストに加えたいと思います